特に今年に入り大きな話題となりつつあるバーチャルYouTuberという言葉をご存知だろうか?
「VTuber」とも略されるが、バーチャルなキャラクターに変身し、Youtuberのように動画を配信することだ。
3Dキャラクターを作り込むと時間もかかるが、現在盛り上がっているバーチャルYouTuberは、顔認識やモーションキャプチャーで、実際の人の顔の表情や手の動きなどを読み取ってキャラクターに変身しリアルタイムに動画に反映している。
自分の声をそのまま使うこともあれば音声を変更する仕組みまであるため、ヒカキンやはじめしゃちょー、ヒカルのように顔出する必要も無く、地声すら出さなくても誰でもYouTuberになれるのだ。
[amazonjs asin=”4309286739″ locale=”JP” tmpl=”Small” title=”バーチャルYouTuberはじめてみる”]
最近では子供の間でも成りたい職業の上位にランクインするなど、人気のあるYouTuber。日本でもトップクラスになると数千万円以上、ヒカキン等のごく一部は億を超える年収を稼ぎ出すようになってきているし、YouTuberの世界トップとなったダニエル・ミドルトンはなんと1年間で約18億円を稼ぎ出している。
そんなYouTuberに憧れた人もいるだろうが、やはり多くの人にとってYoutube上に顔出しや声出しすることは怖いもの。
それが「顔出しNG」「声出しNG」「スマホだけでOK」でバーチャルYouTuberになれるなら興味が湧くのではないだろうか?
その方法を見る前に簡単にバーチャルYouTuber市場から紹介したい。
バーチャルYouTuber市場が急成長の予感
驚くことに2018年1月のYouTuberチャンネル登録増加数ランキングで上位10人の内、なんと半数がバーチャルYouTuber。これだけで急激に人気が出ていることがわかるだろう。
以下がバーチャルYouTuberだけに絞ったファン数ランキングだ。
図はバーチャルYouTuberランキング(4月14日時点)
既にバーチャルYouTuberの数は1,000人を突破しているが、最も人気なのは「キズナアイ」というキャラクター。現在チャンネル登録数は174万人で、累計の総再生数は1億回を突破。人気動画は再生数が300万を超えるなど、大きな反響を見せている。
正式に発表されていないものの、声は某声優が務めているのではとも噂されている。
イメージを掴むためにも参考までに以下がキズナアイの自己紹介動画だ。
現在のYouTuberの主要なファン層が10代~20代前半であることを考えれば、2次元キャラクターが今後多くのシェアを占める可能性も出てきた。
この成長性にいち早く注目したのがGREE。ゲーム事業・メディア事業に続く柱としてバーチャルYouTuber市場に今後1~2年で約100億円を投資すると4月上旬に発表。まずはバーチャルYouTuberの新会社「Wright Flyer Live Entertainment」を起ち上げた。
YouTuber所属の事務所として上場したUUUMのように、バーチャルYouTuberの発掘や育成、プロモーションなどを行い、動画の企画や配信も行っていくという。またクリエイターへの投資や関連サービスの開発、スタジオ開設なども推進する。
UUUMのようなリアルなYouTuber事務所と違い、バーチャルYouTuberの強みの一つは世界展開と愛称が良いこと。GREEも実際に世界に視野を向けて展開していくという。
世界で2兆円を突破したアニメ市場の中でVR・ARの普及とも相まって、バーチャルYouTuberの市場が急速に伸びると判断したようだ。もちろんバーチャルYouTuber事業が伸びれば、そのキャラクターをGREEの主力事業であるゲーム事業にも活かせると考えているだろう。
バーチャルYouTuber事業が世界で成功すれば、世界に通用するキャラクターの版権を持つことができ、世界で勝負できるゲームの開発にも繋がる等、可能性は大きく広がる。
バーチャルYouTuberの事務所はサイバーエージェント系の「サイバーブイ」やチャンネル登録数が合計100万人を超えている「ENTUM(エンタム)」など、国内で10社以上既に出てきているが、GREEは資金力とゲーム事業・メディア事業のノウハウ・コネクションで一気に市場シェアを取りに行くようだ。
バーチャルYouTuberになる方法は?
PCを利用する方法
3D制作ソフトやモーションキャプチャーにKinectを利用する等、作り方は様々だが、専門的に学ばなければ難しいだろう。
[amazonjs asin=”B003T9VDJQ” locale=”JP” title=”Xbox 360 Kinect センサー”]
そこでソフトとして注目したいのは、ドワンゴとインフィニットループが4月13日に発表した「バーチャルキャスト」。これを使えば、以下のようなキャラクターに変身が可能だ。
動画はニコニコ生放送の他、Youtubeやツイキャスでもライブ配信が可能。
Windows向けだが、アプリ「バーチャルキャスト」が公開されている。また生配信用に「Niconico Live Encoder」などの配信ソフトも必要だ。
そして顔の表情を読み取ったり、手の動きを読み取るために”VIVE”というVRゴーグルが必要。
[amazonjs asin=”B075S15Y3S” locale=”JP” title=”【国内正規品】 HTC VIVE (コンシューマーエディション) 【Amazon.co.jp限定】オリジナルPC壁紙配信 付”]
Amazonでも4月14日現在69,390円となり、結構な初期投資が必要となりそうだ。
あとはWindows 10 64bit版で推奨のシステム要件を満たすPCと、下り5Mbps以上、上り15Mbps以上の速度を確保できるネット通信が必要となる。
配信方法は簡単にいうとVRゴーグルを起動して、ブラウザからYoutubeやニコ生等の配信準備。バーチャルキャストアプリからログインして番組情報などの設定。VRゴーグルをかぶって、配信ボタンを押すという流れ。
このソフトでもこれまでよりバーチャルYouTuberとしての配信は簡単になったのだが、さらに簡単にできる仕組みがここ最近できた。
それがスマホ1台でライブ配信する方法だ。
スマホを利用する方法
パペ文字(iPhone Xが必要)
iPhone Xのフェイストラッキングを利用し、自分の顔の表情をリアルタイムに反映。手も動かしたり、握ったりする動作までも可能となっている。
そのままYouTubeやMirrativなどでライブ配信可能で、ボイスチェンジや背景の変更なども可能。
iPhone Xさえ持っていれば、バーチャルYouTuberの撮影から配信までが可能となる。オリジナルキャラを載せて利用する場合は「Live2D Euclidモデル」というソフトを使うか、個別に問い合わせると良さそうだ。
iPhone Xにフェイストラッキングが搭載されたからこそ、ここまでできる幅が広がった。
ホロライブ(iPhone X以外も可)
キャラクターを4種類から選び、背景画像の変更が可能。
iPhone X以外だと口の開閉を音声認識で連動させ、Androidの場合は口の開閉を表情認識で対応する。目の開閉は自動となり、本人の表情と連動させることはできない。
まだキャラクターが少ないのと、できる動きが少ないが、バーチャルYouTuberとして試しにやってみるには良いだろう。
このアプリもiPhone Xであれば、目の開閉と口の開閉を表情認識で連動させることができるようだ。
パペ文字もホロライブも無料アプリとなっているが、今後独自キャラクターに変身するためのアバター提供でのアイテム課金など様々なビジネスモデルが考えられる。
人気が出るかどうかは動画配信者の企画次第。スマホ一台でバーチャルYouTuberとして、まずはデビューしてみてはどうだろう?
YouTuber市場全体の状況はコチラ
