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マネックスグループの決算を分析したら、もはや業績的にはコインチェックの仮想通貨事業の利益が中心に

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コインチェックの買収で注目を集めているマネックスグループが直近で発表している決算資料は今年の1月31日のもの。

そこでその資料をチェックし、コインチェックの買収がマネックスグループにどこまで影響を与えるのか調べてみた。

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マネックスグループの現状

1999年のネット証券市場の黎明期にゴールドマン・サックスのゼネラルパートナーだった松本大氏とソニーがマネックス証券株式会社を設立。翌年にマザーズに上場した後、それから現状までにセゾン証券、日興ビーンズ証券、オリックス証券、ソニーバンク証券などが合併したのが、今のマネックスグループだ。

創業時から取り組んでいるオンライン証券事業の目玉となるリテール業務は大手5社で75.8%(2017年10月~12月実績)を占めるが、マネックスはその5番手。SBI証券、楽天証券、松井証券、カブドットコム証券と続いており、口座数も競争力としては持てていなかった。

しかもこの5社の中では2005年以降で右肩下がりにシェアを落としているのはマネックスのみ。

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引用カブドットコム決算資料

それだけに日本の仮想通貨業界でトップクラスのシェアを持つコインチェックの約170万という口座は相当魅力的だろう。この口座数はFXで日本のみならず世界でトップ1位・2位のDMM.com証券の63万口座やGMOクリック証券の51万口座よりも多い。

マネックスグループの事業領域としてはオンライン証券事業の他、研究・開発事業、コーポレートベンチャーキャピタル事業、アセットマネジメント事業、ファイナンスカンパニーなどを行っている。

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引用マネックスグループHP
(以下、マネックスグループの資料は同様)

さらには成長性の高いフィンテック(金融×ITの造語)分野への投資を積極化させており、コインチェックが今後顧客からの信頼を取り戻せば、仮想通貨事業が売上・利益の中心になっていくのは間違いないだろう。

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マネックスが元々考えていた仮想通貨事業展開

コインチェック買収前から元々、仮想通貨・ブロックチェーン領域に大きく投資しようとしていたのは以下の資料からもわかる。

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コインチェックによるNEM流出騒動が起きたのが、1月26日。この決算資料は1月31日発表だが、コインチェックの幹部も事件の対応で手一杯で、この時点ではまだコインチェック買収のコンタクトも取れていないだろう。

元々、仮想通貨取引所の準備、グローバル取引所との提携計画、仮想通貨研究所の創設を進めていたのだ。そこにうまくコインチェックがハマった。

マネックスグループが考える仮想通貨・ブロックチェーン重視の姿勢は次の資料でもわかる。今後のブロックチェーン分野を「第二の創業」とまで考えているようだ。

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奇しくも、コインチェックに対して今年の1月30日の決算説明会で「お金をかけなければいけないところ(セキュリティー)にお金をかけず客を集めるためにお金を使った。こういう輩はカス中のカス」と罵った北尾社長率いるSBIは昨年から創業時のFinTech1.0からブロックチェーンを中核技術としたFinTech2.0への移行を掲げており、言っていることは似ている。

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引用SBI証券資料

最後にマネックスグループの今の業績状況を確認しておこう。

マネックスグループへのコインチェックのインパクトは?

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直近は1月31日の決算資料なので、3Q累計(9ヶ月間)のもの。

昨年から営業利益を大きく伸ばしており、56億円となっている。年間を通せば、100億円には満たないものの、2018年3月期は大きく利益を伸ばすだろう。

ちなみに買収時に発表されたコインチェックの業績は2017年3月期で実質的な売上高は9億8000万円で営業利益は7億1900万円。2018年3月期は日経新聞の報道によると営業利益は1,000億円程度まで膨らんだとみられるという。

なんとコインチェックの営業利益は昨年空前のブームだったとはいえ、マネックスグループの10倍以上の規模である可能性が高いのだ。

仮想通貨交換業は日本ではbitFlyerとコインチェックが元々2強状態で、そこにテックビューロのZaifなどが続く形だったが、まだまだ競争原理が働いておらず、ユーザのリテラシーも低かったため、仮想通貨交換業が抜くマージンは最大10%とも言われており、FXや株式などの1%未満と比べると明らかに高い。

昨年12月単月のコインチェックの取扱高は半年で10倍以上に膨れ上がり、3兆8537億円だったため、1000億円以上の営業利益があったとしても不思議ではないだろう。

ただし、仮想通貨の取引高が今年に入り急減、価格も下落している。仮想通貨交換業の新規参入は申請ベースで100社以上と見られており、大手資本の参入も含めて競争が激化するなど、利益率は大きく下がっていくだろう。

特に取引所と販売所の仕組みの違いさえわかっていない顧客も多く、販売所のモデルで大きくマージンをこれまで抜けたが、顧客のリテラシーが上がればアルトコインも含めて取引所を利用するケースが増えてくるだろう。

何よりもコインチェックは金融庁から登録許可されておらず、事業継続に懸念もある。顧客の信頼回復と共に急いでやらないといけないことは多くあるが、その結果は今年の早い内にわかるだろう。

36億円という一見、安い買収額だったが、「今後3事業年度の利益の2分の1を上限に現在の株主に支払う可能性がある」というオプション(アーンアウト条項)も付いているだけに、株式の大半を保有するこれまでのコインチェック経営陣も引き続き、業績拡大にコミットすると思われる。

マネックスグループも自らの10倍以上もの営業利益を昨年稼ぎ出したコインチェックなだけに、金融庁とのやり取り・コーポレートガバナンスの強化・システムの強化など、惜しみなく人材や資金を投資していくだろう。

ネット証券として正直、存在感を失いつつあったマネックスグループだが、コインチェックの買収で株価は年初来高値を付け、過去5年間を見ても最高値になるほど急騰している。

今後の動向に注目したい。

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