孫正義の興味はもはや投資ファンド!?スプリントの経営統合や国内通信事業の子会社上場で加速

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ソフトバンクグループは4月30日、米国で携帯電話事業者4位のSprintと3位のTモバイルUSの合併に合意したと正式に発表した。

Sprintは今年に入って最高財務責任者(CFO)を交代。その後、無担保ジャンク債を15億ドルを発行していたが、これは親会社のソフトバンクが資金を提供する考えが無いことを意味し、資金繰りに苦しむSprintを切り離すような動きが見られていた。

合併後の社名は「TモバイルUS」だというから、これまでソフトバンクグループ主導の経営権を譲らなかった孫正義の思惑が変わってきたところがありそうだ。

合併後、CEOはTモバイルのジョン・レジャー最高経営責任者が引き続きCEOを務め、持株比率はドイツテレコム41.7%、ソフトバンクが27.4%。取締役はTモバイルが9人、Sprintが4人指名(内2名は孫正義とマルセロ・クラウレCEO)する。

今後FCCや米司法省など規制当局の審査に1年程度かかり頓挫する可能性も無くはないが、前進したのは間違いないだろう。

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昨年11月の統合決裂からの変化

そもそも昨年11月にSprintとTモバイルとの統合が決裂したのは、経営権を互いに譲らなかったことが原因。

決算会見で孫正義はSprintについて「グループ全体のシナジーを考えると、仮にここから3~4年苦しい戦いが続いたとしても、5年、10年という単位でみれば戦略的に欠かすことのできない企業だ」と話し、中期的に経営権を維持する姿勢を明らかにしていた。

ソフトバンクの取締役会も「コントロール権を失う合併には合意すべきではない」との結論を出していたが、その議論の内容を決算会見で孫正義は以下のように明らかにしていた。

やはり役員共通の意見としては、Sprintが、アメリカが、我々にとって戦略的に重要な拠点なのか。戦略的に重要な会社なのか。それとも単なる投資アセットなのかと。
もし戦略的に重要な拠点であり、会社であれば、それは経営権を手放すべきではないだろうと、経営権を手放してまで合併をすべきではないだろうと。
5年後、10年後のことを考えると、それがより正しいものの考え方だということで、意見がまとまりました。

引用:2018年3月期第2四半期決算説明会より

経営権を手放すということは、単なる投資アセットとしてSprintを判断したということかもしれない。今年2月の投資家向け説明会でも、以下のようにソフトバンクグループの国内の通信事業を子会社上場させ、SprintやYahoo!Japan、armなどと同列に切り離し、戦略的持株会社として専念していくと説明していた。

SBGは戦略的持株会社

以下の図からもわかるように、ソフトバンク・ビジョン・ファンドの917億ドル、デルタファンドの60億ドルという莫大な運用資金が重要な位置づけとなっている。

既に350億ドル以上は投資されており、その投資先はライドシェアリング最大手のUber、中国のDidi(滴滴)の他、犬の散歩アプリやドイツの中古車マーケットプレイスAuto1など多岐に渡る。

ソフトバンクグループの全体像

ARMの買収でIoTなどの将来ロードマップの極秘情報が入るようになったソフトバンクグループ。孫正義の頭は貴重な情報を元に、将来有望な企業・事業に投資をしていくことに優先順位が高くなっているのかもしれない。

賛否両論の声

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