GameWithの決算から学ぶメディアの作り方。ブロガーやメディア関係者は必見の仕組みと高利益率モデル

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今回は3月29日に発表された株式会社GameWithの決算資料から国内最大級のゲームメディア「GameWith」の運営状況や業績について見てみたいと思います。

そこにはメディア関係者だけでなく、ブロガーにも参考になるようなノウハウが詰まっていました。

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GameWithについて

ゲームをあまりしない人などGameWithについて知らない人も多いと思うので、簡単に紹介します。

会社の設立は2013年6月でまだ5年も経っていない会社ですが、2017年6月にはマザーズに上場し、今では六本木ヒルズにオフィスを構えています。社長の今泉卓也氏はまだ20代。社員の平均年齢も27歳と若いメンバーが中心となっています。

事業としては、まず会社設立から3ヶ月後の2013年9月にゲーム攻略情報サイト「GameWith」を開設。当時はまだオフィスはマンションの一室でアルバイトを含めても数名規模だったようです。

ゲームがインターネットに繋がるようになってから、ユーザ同士がランキングを競ったり、コミュニケーションを取りながら戦略を練ったりと昔の1人だけで楽しむゲーム内容から大幅に状況が変わってきました。

それに伴いゲーム攻略情報サイトは今のゲームユーザからニーズがどんどん高まっています。

昔からゲーム攻略本がありましたが、ゲームも複雑化し、しかもインターネットに繋がって以降、日に日に市場が広がっているのがゲーム攻略情報市場です。

キャンペーンやアップデートなど頻繁に行われるようになったゲーム市場において、その速報性の重要さも紙からWEBサイトに主流が移った大きな理由となっています。

サービス概要

国内最大級のゲームメディアを運営

ゲーム攻略情報サイトでユーザニーズまでうまく攻略し、成長したGameWithは2年後の2015年9月にゲームを見つけるためのレビュー情報の提供を開始。2016年2月には専属のゲームタレントがYouTubeでゲーム実況を中心とした動画配信を開始します。

そしてGameWithは2017年3月にゲームユーザ同士で交流できるコミュニティも開始。

これらの関連事業をいかにGameWithは攻略していったのか。

最初に言っておきますが、全体的なビジネスモデルはAppBankに似ています。しかし、そこを非常に論理的・合理的に組み立てていることにGameWithの強みがあると思っています。

まずはビジネスモデルの全体図が以下の通り。

ビジネスモデル

全体像

ビジネスモデル

ここは複雑なモデルでは無く、実にシンプルです。メディア事業関係者やブロガーなどはすっと入ってくるでしょう。ゲーム攻略・ゲームレビュー・コミュニティなどの機能をユーザに提供し、広告で収益を上げるという一般的なビジネスモデル。

そしてゲームメディアではトレンドとなっているメディア事業から動画配信に送客。動画配信をユーザに提供しながらも、広告でマネタイズします。ユーザが動画・タレントへの愛着を深めれば、メディアのファン化にも繋がります。

それぞれの事業毎に見てみましょう。

ゲーム攻略サイト

ゲーム攻略1

ゲーム攻略情報サイトなので、当然ゲームに詳しくなければ良い記事を書けません。そこでGameWithの面白いのはゲームの上位ランカーに求人を行い、採用。上位ランカー0.1%を社内ライターとして抱えてチームを編成し、記事を作成します。

そしてGameWithはその社内ライターにライティング業務を向上させるため、様々な組織体制でバックアップしています。

ゲーム攻略2

執筆する記事は人気に合わせて執筆していきますが、新作や人気急上昇タイトルをモニタリングして、競争原理の中で入れ替えていきます。

JリーグのJ1・J2のような入れ替え戦を絶えず行うことで、人気タイトルの執筆ボリュームを上げていく仕掛けは非常に合理的です。意外とメディア企業でも、合理的に執筆対象を選定しているところは少ないのではないでしょうか。

この組織的な記事作成体制を2014年5月に構築して以降、PV数が飛躍的に上昇していく形となりました。

このゲーム攻略情報サイトがユーザを集客する中心となるのですが、それに紐付いた形で様々な関連サービスが付加されていきます。

まずはゲームレビューです。

ゲームレビュー

ゲームレビュー

AppleやGoogleのアプリストアにゲームカテゴリがありますが、ユーザがプレイしたいと思うゲームを選ぶには専門性も含め、情報が足りません。

そこでGameWithは「独自のランキング」「ゲームの紹介記事」「速報性」「網羅的なゲームのデータベース」など付加価値を加えて、アプリストアに誘導します。

この時、レビューコーナーへの広告出稿やアプリストアへ送客してのアフィリエイトなど、様々なマネタイズが可能となります。

コミュニティ

コミュニティ

ゲームがインターネットに繋がるようになってからは仲間同士で”競う”楽しさがユーザに広がっています。リアルでもファーストフードなどで、子どもたちが「モンスターハンター」や「モンスターストライク」などを一緒にプレイするために集まっている姿を見かけた人も多いでしょう。

そんな仲間と一緒にプレイしているかのような楽しみをこのコミュニティは提供しており、同じゲームのユーザを繋げることでゲームへの熱量が向上。結果的にゲームユーザは頻繁にこのコミュニティに訪れるようになり、メディアへの定着率・リピート率、一人あたりのPV数の向上など、様々な面でプラスになっているようです。

もちろんゲーム攻略情報サイトを訪れた中で、コミュニティの利用者の比率はそれほど高くないと見られますが、コアなゲームユーザを定着させる大きなポイントとなっているでしょう。

動画配信

動画配信

メディア事業のトラフィックやユーザの定着率を強みとして、動画配信にユーザを誘導。タレントを育成していきます。詳細は不明ですが、高確率で人気配信者にするメソッドも確立しているようです。

UUUMやVAZ、AppBankのように動画配信でのマネタイズはもちろんですが、ユーザがこのタレントのファンになればなるほど、連動するメディアのGameWithへもファン化していくシナジー効果が生まれています。

GameWithの強み

GameWithの強み

GameWithは最初のゲーム攻略事業を集客源として、コミュニティ・ゲームレビュー・動画配信でしっかりとユーザを定着化させ、事業を論理的に成長させる仕組みを構築したと言えるかもしれません。

たびたび例として出してしまいますが、AppBankもパズドラやモンストの攻略サイトが人気になりながらも、単発のリワード広告(かつて)などが主力であって、このユーザの定着化がしっかりと図れなかったことが、現在の業績不振に繋がっていると思います。

それではそんなGameWithの業績を見てみましょう。

売上の推移

売上推移

売上はこの2年で2~3倍と急成長を続けており、右肩上がりです。メディア市場の状況を考えると、まだまだタイアップ広告は売上を伸ばせると思うので、商材別の売上構成比率はさらに変化していくでしょう。

2018年5月期の業績を大幅上方修正

業績の情報修正

メディア事業は他の事業モデルと比較すると、人件費以外に固定費はそれほど大きくかかりません。しかもGameWithは従業員数が39名(2017年5月31日現在)と少数精鋭になっています。

それだけに売上がスケールすれば高利益率が基本。実際GameWithも修正予想では約40%の営業利益率となっています。

今後、さらに売上が上がると広告宣伝費を上げない限り、基本的に営業利益率はまだまだ高まっていくでしょう。

IR資料では今後の事業戦略として、成長分野であるeスポーツ市場にて「eスポーツプロチームを結成」と、ノウハウを活かした「海外展開」を考えているようで事業の伸びしろはまだまだありそうです。

「ライター採用と教育の仕組み」「作成記事基準の仕組みづくり」「ユーザの定着率向上策」など、わかっているようで実際には論理的に組み立てることは難しい。

それがしっかりとできているからこそGameWithは短期間でこれほどの成長を続けているのかもしれません。

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