上半期に開局以来初の営業赤字に陥ったフジテレビの通期決算。インターネット領域は成長中

地上波デジタルになってから視聴率争いで苦戦が続いているフジテレビ。その原因は単純に強みであるバラエティやドラマが面白くなくなったからとか、デジタルになってからリモコンの番号が変わり、引き続き8チャンネルを選んでしまったのが要因だとか色々と叫ばれている。

そして2015年4~9月期には1959年の開局から初の営業赤字に転落してしまっている。

そんなフジテレビだが唯一伸び続けている分野がある。それがフジテレビ・オン・デマンドなどを始めとするデジタル分野だ。まずは2016年5月11日に発表された決算発表から状況を見ていこう。

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決算概要

決算概要

視聴率苦戦が続いているのでもちろん売上は前期比で減少している。2月に開示した業績予想を超えたとはいえ、前期と比較すると営業利益が半減してしまっているので、保守的な予想と比較してもあまり意味がないだろう。

売上について放送とその他に分けて開示されているので、まずは放送事業から見てみよう。

放送事業の売上

放送事業収入

CS放送・その他を除いて、ネットもローカルもスポットも全てが減少中。王者日本テレビや近頃好調なテレビ朝日等と比べると勢いが無いのは明らかだ。

放送以外の事業はどうなのか見てみよう。

その他事業の売上

その他事業収入

フジテレビの1つ強みとして伸びていきそうだった催物事業(イベント)が33.8%の減少と大きく下げている。2月から東京公演が始まった「シルク・ドゥ・ソレイユ(トーテム)」や各種大型展覧会を今年予定しているが、売上の減少を止めることができるだろうか。

映画事業については「暗殺教室~卒業編」が興行収入34億円を突破したり、「信長協奏曲」が興行収入45億円を記録したりと増収効果があったものの、季節的な要素が大きいだろう。

その中で伸び続けているのが今期83億円と全体の売上比率で見ると大きくないものの、デジタル事業だ。

フジテレビ・オン・デマンドが好調

成長分野での取り組み

フジテレビ・オン・デマンドはスタートしたのはライブドア事件直前の2005年9月。コンテンツラインナップをドラマやバラエティを中心に着々と増やし続けている。
ドラマを見逃した人を対象に見逃しパックを提供したり、一部の作品を月額1,000円で見放題にしたり、魅力的な部分があるものの、やや課金体系や販売単価が複雑な印象を受ける。
もちろん無料の動画もあり、利用者は月間300万人。有料課金利用者も80万人を超えたようだ。また最近では電子書籍の配信も始め、ドラマをオリジナルコミックとして配信したりなど新たな試みも見せているようだ。

売上の飛躍的な向上はゲームが鍵

フジゲームス

最後にゲームへの取り組みを見てみよう。先ほどの動画事業などはNetflix、Amazon、Apple、Hulu(日本テレビ)等、競合が乱立していることを考えると飛躍的な成長は難しい。

そんな中、期待される新会社フジゲームスは4月1日付けで新設された会社で投資額は30億円。4年で売上100億円、営業利益25億円を目指すようだ。

ゲームの開発は2014年1月にgumiと合弁で設立したFuji&gumi Gamesが進めているが、TV局が主導で進めるゲーム会社がうまくいくのか。

仮に成功すれば、他のTV局なども本格的に参戦する可能性も考えられるため注目だ。