アニメ市場の中で存在感を増すドコモ・アニメストアの決算。既にアニメ映像配信の市場シェアは約2割に

今回はドコモのdマーケットの中でdアニメストアを運営する株式会社ドコモ・アニメストアの決算を6月17日に公表された決算公告から見てみたいと思います。

ドコモ・アニメストアは2012年にNTTドコモとKADOKAWAとの戦略提携で設立された会社。出資比率はNTTドコモが60%、KADOKAWAが40%となっている。ドコモのdマーケット上でdアニメストアを開始したのは、今から4年前の2012年7月だ。

基本的な事業領域は当然dアニメストアの運営だが、2013年頃からはテレビアニメの製作委員会にも参加しています。

まずは先日6月17日に公表された決算から見てみましょう。

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ドコモ・アニメストアの第4期決算公告

ドコモ・アニメストア決算

売上高77億円に営業利益は17億円。すでに大きく利益を出せる体質になっている。

昨年の決算は売上57億円で営業利益は13億円だから、業績は非常に好調に伸びていると言っていいだろう。

懸念点はdアニメストアの主な集客手法とみられる携帯電話加入時に同時加入させるという、いわゆる「店頭アフィリエイト」という手法については賛否両論がある。

また携帯電話料金の値下げについての政府意向がキッカケで導入された今年4月からの総務省ガイドライン(スマートフォンの端末購入幇助の適正化に関するガイドライン)の適用で、店頭アフィリエイトについては一部規制されていると見られるため、成長率は鈍化する可能性はある。

2015年7月には会員数が200万人を超えたことも発表されており、このdアニメストアのアニメ市場における状況を見てみたいと思いますが、その前に簡単にサービス内容を見てみます。

dアニメストアとは

月額400円(税抜)でアニメに特化した動画が定額見放題になるサービス。ストリーミングだけでなく、ダウンロードにも対応している。なお、初回31日間は無料で見放題となる。
作品数は6月20日現在で約1600作品(約30,000話)となっているからアニメ好きには非常にお得なサービスといえるでしょう。

元々はドコモ限定のサービスでしたが、2014年4月から他キャリアでも利用できるようになっています。

今年の3月にはアニソンミュージッククリップの提供開始やアニメイトとのショッピング連携などサービス拡充もあり、今ではアニメの総合サイトのポジションを取るようになってきている。

アニメ市場から見るdアニメストア

アニメ市場の市場規模は2014年で1,847億円(製作会社の売上合計)とそこまで大きな市場ではないが、アニメ関連産業の数値も含めると1兆6,297億円と巨大市場となる。

漫画・アニメをキッカケに、出版やおもちゃなどのグッズ販売、ゲーム化、音楽、イベントなど様々な展開に広がることにビジネスとしての旨味が大きい。

アニメの映像配信産業は日本動画協会のアニメ産業レポート2015によれば、2014年で408億円。ちなみに2014年の劇場用アニメ興行収入は417億円だから既に同規模となっている。2015年は既に超えているだろう。

アニメ映像配信市場規模

2015年の市場規模はスマートフォンの普及により、さらに拡大していると思われるが、仮に2014年の規模でdアニメストアの市場シェアを算出すると18.8%となり約2割近くを占めている。

アニメ制作会社の売上が1,847億円であることを考えると、今後このdアニメストアの位置づけはより重要なものとなってくるだろう。

また一般社団法人CiP協議会の亀山泰夫氏の話によれば、キッズ向けTVアニメの制作費は1話1,000万円の放送権料は1ヶ月2500万円で1年間続けることが多く、総額約8.2億円かかる。
また深夜アニメは1話2,000万円の放送権料や宣伝費を1クール4,000万円程度かけるのが平均で総額約3億円かかるようだ。

これだけお金をかけたコンテンツが約30,000話分集まっているdアニメストアでは月額400円で見放題になる。アニメ制作会社はdアニメストアでの視聴数によって収益を按分されることが第1の収益源だと考えていると思うが、視聴者を増やしファンを増やすことで関連産業に波及する効果も大きいだろう。

今後、Netflixなどのようにdアニメストアもオリジナルの自社コンテンツの制作なども視野に入っていると思われる。AbemaTVなどもアニメの視聴数が多いと言われるが、無料モデルではなかなかプラットフォーマーとして利益化は難しいことが想定される。

成長を続けるアニメ映像配信市場を制したものは、その後の巨大なアニメ関連産業市場でも主導権を握るようになるだろうからこのシェア争いは非常に注目だ。