一億総活躍社会の流れで業績を拡大するクラウドワークス。兼業・副業の拡大も追い風に

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インターネット・スマートフォンなどの普及で急激に進む個人の働き方の変化。今回はオンライン上で在宅ワーカーと仕事発注者のマッチングするいわゆるクラウドソーシングの市場で日本のトップクラスのシェアであるクラウドワークス社のIR資料から働き方改革がどこまで進んでいるのか見てみたいと思います。

そもそも2016年9月に安倍首相が内閣官房に「働き方改革実現推進室」を設置し、働き方改革の取り組みを提唱。「一億総活躍社会」をキーワードに昨年から本格的に取り組みを開始しています。

たまにキーワードから「日本の人口から2千万人くらい切り捨てられてない?」とか揶揄されますが、一億総活躍社会とは、少子高齢化が進む中でも「50年後も人口1億人を維持し、職場・家庭・地域で誰しもが活躍できる社会」を目指しています。

クラウドワークスについては過去にも記事を書いたことがありますが、4月9日にクラウドワークス社はグループでの総契約額の推移が単月でなんと10億円を突破したことを発表しているので、直近の状況について見てみたいと思います。

総契約額10億円

出典クラウドワークス社プレスリリース

政府が取り組んでいる「働き方改革」はクラウドワークス社にとってポジティブな流れですが、オンライン上で仕事を受注する在宅ワーカーなどの状況はどのようになっているのでしょうか。

クラウドワークス社が2月14日に発表した「2018年9月期 第1四半期決算説明資料」から状況を見ていきましょう。

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社会トレンド

人材の不足からの需要増

人材不足からの需要増

出典クラウドワークス社IR資料より(以下同様)

各企業が業務の効率化を図るために社内のIT関連設備投資を行ったり、WEBサイト・アプリの提供など様々な用途でITエンジニアの採用ニーズが増え続けています。

それに伴い企業間でITエンジニアの取り合いが加速。エンジニアの採用が困難な状況ですが、クラウドワークスに登録しているフリーランスエンジニアの活用も拡大しているようです。

兼業・副業の拡大

兼業・副業の拡大

政府の働き方改革の旗印の元、2018年1月には厚生労働省が「モデル就業規定」を改定。

徐々に増えつつあったものの、2017年2月の調査では2割程度とまだまだ多くの企業では兼業・副業を容認していません。働き方改革で社会的に容認の風が吹き始めている中、今後さらに容認・推進していく企業は増えていくでしょう。

兼業・副業でクラウドワークスで稼ぐ人も増えていくはずです。

クラウドワークスの働き方革命

働き方革命

そんな社会トレンドの中、働き方改革を政府が推進するかなり前からクラウドワークス社は「働き方革命」というビジョンを掲げていました。

クラウドワーカーの報酬事例

実際にクラウドワークスを通して得られた年間報酬額だけでも、エンジニアで年収1,000万円を超える人も出ています。過去には翻訳業で年収2,000万円を超えた人もいます。

ライターで年収600万円以上、70歳を超えたデザイナーでも100万円以上を稼いでいる等、年齢を問わず稼ぐことができる仕組みが浸透してきているようです。

クラウドワーカーの報酬事例

クラウドワークスグループの累計ユーザ数

累計ユーザ数

クラウドワークスの利用者も急増を続けており、昨年末時点で174万人。3月末時点では188万人にもなっているようです。

途中、コーチと受講者のマッチングサービス「Cyta」の事業譲受がありましたが、7万人程度の会員だったので、それを差し引いても伸び続けています。

クラウドワークスへの仕事発注企業数

クライアント数

ユーザの増加だけでなく仕事を発注する企業も増え続けており、昨年末時点で21.9万社に成長しています。

前年同期比43%増は過去最高の伸び率とのことで、働き方改革の影響も徐々に出てきているかもしれません。

クラウドワークスの事業・業績

事業セグメント区分

事業セグメント

現在のクラウドワークスグループの事業セグメントは3つ。

創業期から注力しているダイレクトマッチングはCtoCモデルでユーザ同士が直接取り引きをする仕組みを提供しています。

エージェントマッチングはダイレクトマッチングでは依頼者側に「依頼文の書き方がわからない」「スキルを持った人に発注したい」などのニーズ、受注者側も「安定的に仕事が欲しい」など様々なニーズがありますが、それをスタッフが間に入ってマッチングしてくれる仕組み。

ビジネスソリューションは企業からの委託を受け、コンサルティング、システム開発、サービスなどを提供するモデルです。

ワーカー一人あたり報酬額

1人あたりの報酬額

ダイレクトマッチングと比較するとエージェントマッチングは月平均報酬額が非常に高くなっており、なんとクラウドワークスとクラウドテックの差は61倍。

これはクラウドワークスはお小遣い程度で月数百円~数千円程度の稼ぎだけでいいというユーザも多いことや、エージェントマッチングはある程度スキル・経験が保証されたワーカーが選定されているはず。さらに在宅やノマドでがっつりと稼ぐ等、月間平均労働時間も長いことが要因でしょう。

「働き方の多様化」とよく言われていますが、隙間時間で自宅でも仕事ができる環境を整えたクラウドワークス社の社会貢献度は高そうです。まだまだ労働市場におけるクラウドワークスの総契約額の比率は低いですが、今後どんどん高まっていくでしょう。

アンケートに応えるなど通勤電車でスマホだけでできるような仕事も増えています。

セグメント別業績

セグメント別業績

これまで投資フェーズということで、クラウドワークス社として人材採用などの先行投資を続けていましたが、しっかりと結果が出て売上も営業利益も前年同期比で大きく伸びています。

そしてここでは細かく紹介しませんがフィンテック関連の戦略も掲げており、クラウドワークスの持つ「ソーシャルスコア(クラウドスコア)」との愛称もよく、今後大きく利益を生み出す仕組みが作れるのではないかとの期待も高まっているのか、株価も大きく上昇し始めています。

2018年9月期通期業績見通し

業績見通し

クラウドワークスは上場してからも積極的な投資を続けてきました。

上場すると株主も増え、日々変動する株価によって株主からの圧力で思い切った先行投資ができなくなるというのが、一般的な日本の会社の姿だと思います。

しかしクラウドワークスは筆頭株主である吉田社長の信念と大株主であるサイバーエージェント社の理解もあったと思うのですが、ここまで思い切った投資を続けてきました。

今後の市場成長を考慮すると、このタイミングでシェアを取りに行くという判断だと思うのですが、結果がついてきています。

政府が進める働き方改革の中でクラウドワークスはどこまで成長していくのでしょうか。

新たにフィンテック事業がうまく既存事業とハマれば、大きな利益拡大余地もあるだけに今後が非常に楽しみです。

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