Amazonの売上が2018年はトヨタ超え!?この規模で前年比43%成長の衝撃

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アマゾン・ドット・コムが現地時間の4月15日に決算発表。2018年1月~3月までの状況を開示した。

Amazonの決算発表は全体の数値とセグメントを北米EC・北米以外のEC・クラウド事業のAWS(アマゾンウェブサービス)の3つ事業の状況を開示しているので、日本単体の状況はここから見えてこない。

ただ年次報告書などで国別に売上だけ開示されるケースがあり、今年2月に開示された資料によると2017年の日本での売上高は約1.3兆円(Amazonの直販の他、マーケットプレイスの手数料、プライム会員の会員費など)にまで上昇しており、この5年で売上は2倍以上。それでもまだ急拡大で成長を続けている。

Amazonの流通額の半分近くを占めると言われるマーケットプレイスは会計基準から手数料部分のみ売上計上されていると考えられ、流通額に換算すると2兆円は超えているだろう。

ちなみに主なECの流通額はヤフーショッピング7,436億円、ヤフオク8,966億円、メルカリ1200億円。

流通額ベースで3兆円を超えている楽天には及ばないが、この競争が激しい環境は日本でECサイトを利用するユーザにとってはプラスだ。

先日、全世界で1億人を突破したというAmazonプライム会員。その年会費は、その国でのAmazonの置かれている競争環境を示す指標の一つになると個人的に考えている。

日本ではプライム会員は年間3,900円だが、圧倒的なシェアを誇る米国ではプライム会員費は段階的に値上げされ、今では米国は99ドルにまで上昇している。と、この記事を書いている間に先ほど119ドルに4年ぶりに値上げが発表され、これで全世界で最も高い額になる。

その他の国では英国109.5ドル、ドイツ85ドル、カナダ63ドル、フランス60ドルなど、日本と比べるとだいぶ高い状況だ。これも楽天などの競争相手がいるために上げたくても上げられない状況だからだろう。

日本では動画が見放題、音楽も聞き放題、ECの当日配送も無料など、様々なメリットが揃って年間3,900円。競合サービスが動画見放題で月1,000円ほどであることを考えても、ユーザの利用率によっては赤字である可能性も充分考えられる。

一方の楽天は会員に向けて楽天スーパーポイントを付与。楽天カード利用でのポイントバックなどもつけて金融事業の利益などのシナジーで売上を伸ばしている。ポイント付与率が高いのもAmazonに対抗するための手段の一つでもある。

そしてAmazonの全世界の売上状況を見ると、ジェフ・ベゾスCEOの大局的な見方も見えてくる。

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Amazonの決算発表から見る驚異的な成長率

2018年1月~3月のみの数値

※1ドル=109円換算

全体の売上は5兆5,590億円(前年同期比44%成長)、営業利益は2,100億円(前年同期比92%成長)、当期純利益は1,776億円(前年同期比125%成長)となった。

昨年、通期売上が約20兆円となったAmazon。日本で売上が20兆円を超えているのはトヨタだけ。2位のホンダは約1.4兆円、IT業界トップのソフトバンクは全体で7位の約9兆円だ。

この前年同期比43%が続けば、今年にでもトヨタの27兆円をも凌ぐ勢いとなってきた。

全体売上の数値で少し気になったのは、Amazonといえば利益を出さないことで有名なはず。

下記のグラフにあるとおり、売上は伸びても営業利益はあえて出さないようにして、その多くを研究開発費などに投資してきた。

ただこの半年の状況を見ると、利益が大幅に出ているため、戦略の変化?と思いきやAWSの好調さも背景にありそうだ。

実際に今回の好決算について、ジェフ・ベゾスは「クラウドサービス事業の成長が著しい」とコメントしている。

そのAWSも含めて、セグメント別の売上・営業利益を見ていきたい。

セグメント別の売上・営業利益

北米

アマゾンの北米売上

画像はAmazon.comのIR資料より(以下、同様)

北米の売上は前年同期費で46%UPの3.3兆円、営業利益は1,252億円。今日発表された米国でのプライム会員の値上げでこのセグメントの利益はますます上昇していくだろう。

全世界(北米以外)

アマゾンの北米外の売上

北米を除いた世界の売上は上昇しているものの、営業利益ベースではまだまだ赤字。

売上は米国の半分ほどの1.6兆円、営業利益は678億円の赤字となった。しかしその赤字額は減ってきており、投資回収時期に入っている国が増えてきているかもしれない。

日本の売上は四半期ベースで4千億円程度と想定すると、北米以外の国の売上の25%ほどが日本のシェアと想定される。

AWS

アマゾンのAWS売上

好調なのはなんといってもAWS。売上5,932億円、営業利益1,526億円となった。注目すべきはこの営業利益率25%という高さ。

ECの営業利益率わずか数%だったのが、AWSの売上シェアが高まるにつれて全体の営業利益率も上昇してきている。今回も全体の営業利益の内、72%がAWSがもたらした。

そしてAmazonが積極的に投資しているのは研究開発費だ。2017年には約2.4兆円を投資。これは世界でもダントツトップで、時価総額で世界一を競うAppleのおよぼ2倍。ちなみに2位はGoogleの1.8兆円となっている。

まだまだ成長に衰えを感じないAmazonだが、Amazonのダンボールにも書いてあるAmazonのロゴマークの意味をご存じだろうか?

週刊東洋経済 2016年3/5号 [雑誌]

「A」から「Z」に矢印が伸びているのがわかる。

これはアルファベットの始まりと終わりを表しており、「全ての商品を取り揃えていく」という理念が込められているそうだ。さらには矢印が口のように見え、Amazonが追求する「顧客満足の笑顔」を表現しているという。

レジなしコンビニである「アマゾンゴー(Amazon Go)」を開始したり、本屋を出店したりとリアル分野にも進出が始まっただけに、今後もありとあらゆる業界に進出して成長が続くだろう。

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